覚醒彼女~君と生きたい~
「お…、落ち着いて…下さい!!僕たちはそんなんじゃありませんから!!」


「はっ、どうだか!!
じゃあ、あんたらは何しに来たっていうんだ!!」


ロックは、この地の英雄的存在じゃないのか…??


この老人の豹変は尋常じゃない。


そのとき、ノアが口を挟んだ。

「おじいちゃん。
落ち着いて下さい。私たちはロックさんの居場所を知りたいだけなんです。」


そんなノアの声に少しずつ、
老人は落ち着きを取り戻し始めた。


「おじいちゃん。ロックさんの居場所をご存知ないですか?」

「あんな奴に、会う価値はねぇぞ!あんな悪魔なんかにな!!」


…………。


言葉を失った。


あの老人が涙を流したから。


「ロックはなぁ…、わしの息子を奪ったんだ…。この冷たい雨の中、息子に無理な労働をさせたんだ…。」


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