覚醒彼女~君と生きたい~
老人の家を出て、僕たちは足どり重く歩く。


さっきの話で、ロックのイメージが逆転した。


恐ろしい人かもしれない。


血も涙もない冷徹な人かもしれない。


もし、そうであってノアに万が一のことがあったらいけない。

僕がノアを守らなければ。


「あ、ルカ。
あれ。あの木じゃないかな?」

ノアの声に視線をあげると、
その大木にもたれるように小屋が佇んでいる。


その小屋は、他の小屋とあまり変わらない外観で、悪く言うならあばら家だ。


だけど、きっとあの小屋だ。


その小屋の屋根は、赤い塗装がはがれたのかところどころしか見えないけどあの老人の言葉と一致する。


「あそこにロックさんが…?」

「…うん。」


ノアがいっそう僕の腕を掴む。

「…ノア、行こうか…。
大丈夫、何かあったら僕が守るよ。」


僕はノアの頭にキスをした。
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