覚醒彼女~君と生きたい~
ロックさんは、一度頷く。


「最初は、雨の降らない地区で作物が育つように開発されていた。
ある物質を空に向かって発射させるだけだから、容易にできたし人々も喜んでいた。
雨もまとまった量が降り、安定していたそうだ。」


「そのMEGUMIが何故、戦場に持ち込まれたんですか?」


ノアは疑問を聞いただけだろうけど、僕は容易に想像できた。

世界の成り立ちなんて、
欲に塗れている。


「その技術に目をつけた軍人が兵器として用いたんだ…。
MEGUMIを打ち上げ、民が雨を凌ぐ為に屋根の下へ行くよう仕向け、そこへ攻撃する…。つまり、殲滅作戦だ。」


僕は背筋が凍りついた。


ロックさんの口から語られる、あまりに恐ろしい言葉に。


「民は雨を凌ぐ為に、屋根を探す。だが、そこには既に敵が待ち構えている。屋根へ行かなくとも雨の中、逃げれば体力を消費する。」


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