覚醒彼女~君と生きたい~
その光景を想像し、僕は頭が痛くなった。


いったい、どれだけの人が命を落としたのだろう。


暗い雨の中、助けを求めていたに違いない。


命乞いをする者もいただろう…。


「雨によって氾濫した川に飲み込まれ命を落とす者もいたそうだ。雨は恵みではなく悪魔のようだったことだろう。
打ち上げた側は、MEGUMIをもじり勝利を導くMEGAMIと称賛までしたようだが。」


ロックさんは、深いため息をつく。


「そして、この争いは一方の殲滅という形を以って終結した。際限なく打ち上げられたMEGUMIは止まない雨をこの地に残したままね。」


「………………」


「雨はずっと降り続いている。私はこの雨が上がった空を、見たことがない。
降り続く雨を、止ませることはできないかもしれない。
でも、住みやすい土地にしたかった。」


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