覚醒彼女~君と生きたい~
償いきれない罪…??


ロックさんは、人の為にとダム建設を提案した。


集まった人も、人の為にと工事に従事していたんじゃないのか?


そう考えてしまうのは、僕が第三者だから?


亡くした苦しみを知らないから?


経験してない僕が、苦しみを想像するのは限界があった。


「私はあまりにも多くのものを犠牲にした。己を犠牲にすることなく、他を犠牲にした。」


ロックさんはそう呟き頭を抱え泣き崩れた。


「亡くしたものは還らない。」

ノア…??


ロックさんの鳴咽が響くこの小屋でノアの声が響いた。


その声は絶対的肯定が含まれていて、冷たく重い。


僕の頭にはあの日が蘇る。


ノアがノアじゃない、全てを知っているような支配に満ちたノアを思い出す。


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