覚醒彼女~君と生きたい~
静寂が続くこの小屋で、沈黙を破る音が鳴った。
―グーっ―
「あっ…っと。
…え…と、ごめ…なさ…?
もうっ、はずかしっ…。」
「ふふっ、ノアは食いしん坊だな。」
「ち、ちがうもんっ!」
―グーッ―
ノアの言葉と裏腹に腹の虫は主張する。
ロックさんはその様子を目を真ん丸にして見つめた。
その視線に気付き、ノアはむっと口を尖らせる。
「こどもじゃないもん…。」
「はいはい、マナさんにもらったの食べる??」
ノアの髪を撫でてるとき、
ふと、思い出した。
肝心のものは方舟の中だ。
方舟の行方なんて知らないから、ノアに頼まなくちゃならない。
はあ…。方舟の操作
僕にもできないかなあ。
「ノア、方舟は?」
「えと…、私とってくる!」
ノアはそう言って小屋を出た。
あっ、と言葉を発したときにはノアはいなかった。