覚醒彼女~君と生きたい~
「まったく…」


話してくれなきゃ
わからないじゃないか。


「今…の、マナとは…?」


ロックさんが呟く。


「ロックさんの居場所を教えてくれた方です。一晩お世話にもなりまして…。」


優しい方でした。と付け加えた。


脳裏に浮かぶマナさんの笑顔と悲しげな顔。


「そうか…。」


「マナさんが何か??」


「いや…、いいんだ…。
彼女は笑っていたかい?」


「はい。でも、時折寂しい表情を浮かべていて…。」


僕がそう伝えるとロックさんは、静かに瞼を下ろした。


「………………。」


言葉ではなくロックさんの全身から、マナさんを考えているとわかる。


「ルカー!!
持ってきたよー!!」


「あ、ああ。ありがとう。」


どこか違う雰囲気に首を傾げながら、ノアは腰を下ろし包みを広げた。


包みの中には、パンが入っていた。


少し甘い香が広がった。


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