覚醒彼女~君と生きたい~
僕たちはロックさんから何かを聞き出すわけでもなく、方舟へと戻った。


世界の姿はよく見えてこない。

悲しみばかりが世界を覆い隠し、幸福の形を探し求めている。

誰かの為が誰かの為にならず。

想いは重なり合うことなく空を舞う。


想いがぴたりと合うことは奇跡だ。


世界は…
一体、何を探しているんだろう。


明日の光か、未来の光か。


だけど、こんなんじゃ
今日を生き抜くことで精一杯だ。


僕は瞼を閉じ、思考した。


思考は途中で途切れ、眠りへと移行した。


耳元でノアの声が聞こえた気がした。


優しい声で「おやすみ」と。


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