覚醒彼女~君と生きたい~
「着いた。」


静かに放たれた言葉と同時に方舟が少し揺れた。


また、どこかに着いたようだ。


さっきノアの話で世界の状況を知った。


今の地球は、人の住める土地が限られているそうだ。


汚染された地が多く、人が住むには害がありすぎるそうだ。


技術は発展しても人の適応能力は未だ進化していない。


僕たち人間を残し、環境は変化していった。


いや、環境を変えたのは人間なのだろう。


僕たちは、大きい犠牲の上に成り立つ罪深い存在なのだ。


僕は思わず自分の腕をみる。


そして、肌の感触をなぞる。


柔らかく温かい皮膚、そしてその下を流れる赤い血。


それはずっと昔から受け継がれてきた命の証。


生きていることを証明し、僕の生を許している。


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