覚醒彼女~君と生きたい~
W5460地区。
轟音が鳴り響き、海は我を忘れて荒れ狂っていた。
冷たい雨と風、そして、雷が辺りを支配していた。
僕たちは、まだ水が達してない地面から見ていた。
灰色の水が僕達に出ていけというように、波を高くする。
「…っ…っ…ぅ…帰りたい…」
ノアが泣き出した。
「…見たく…ないよぉ…人がいない…うわああああ」
「…ノア…」
僕は残酷なことをしてる。
ごめんね。
だけど…。
キレイなまま前に進むことは簡単だけど、同じ過ちは繰り返したくないから…。
「…死ぬことでしか償えないようなことを、僕達はしたのかな…」
波はいっそう高くなった。