覚醒彼女~君と生きたい~
ヴゥゥ…ン。


巨大な物体はその存在を主張するように唸る。


何が起こってる??


雨は強くなる。


「しかし、次の創世にも、始祖はいる。ここに、肉ある生き物、雄と雌を二匹ずつ入れ生きながらえよ。」


ノアは、そう言って倒れた。


「ノア!!」


僕はノアの身体を支えた。


あの物体は、消えた。


僕はノアを、家に連れて帰った。


荒れた家の汚れたベッドに、ノアを寝かせた。


ノアの寝顔を見て思った。


あと七日。


あと七日で、世界は終わりを告げる。


生きとし生けるもの全てが、水に飲まれ滅ぶ。


こんな世界で、こんな環境。


愛しいなんて思えないこんな世界。


だけど、僕が生きてる世界。


複雑な感情が、僕を飲み込む。
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