~2人の奇跡~*two miracles*
*出会い*
「いってきます」
朝、何の楽しみもない通学路をおぼつかない足どりで歩く。
「おっす!」
そんな時、あなたの声が聞こえる。
「優!」
あたしの大好きな人。
「どうした?暗い顔して」
心配そうに聞いてくる。
あたしは、この優しさに惚れたんだ。
「ううん!ちょっと寝不足なだけだよ。」
「そっか。なら良かった。なんか悩んでるなら俺に言えよ?幼なじみなんだし。」
そう言って頭をポンッってしてくれた。
「うん。ありがとう。」
「おう!じゃあ、先行くな。遅刻すんなよ!」
走っていく彼の姿を見つめながら少し寂しくなった。