プリンセスの特別な事情
プロローグ
「真紘、これどっちが良いかなぁ?」
「真紘、離れても私たちはいつまでも姉妹だし…大好きだからね」
そう言っていた双子のお姉ちゃんが交通事故で亡くなったのは1ヶ月前。
相手方の不注意によるものだったらしい。
本当に、お姉ちゃんのことが大好きだった。
そんなお姉ちゃんと同じ大学を受けて、合格判定をもらったのが少し前。
二人ですごく喜んだ。
今日はその大学の入学式。
本当だったら隣にお姉ちゃんがいたはずでその事実に少し泣きそうになる。
「お姉ちゃん。私、行ってくるね。お姉ちゃんとの約束、忘れてないから」
写真に少し微笑みかけて家を出た。