プリンセスの特別な事情
さて、私もやろうかな…。お姉ちゃんとの約束。
と、言うよりも早くしないとみんなが帰ってしまう。
少し大学内を歩いてみるが何も収穫を得られない。
そんな時、講堂の中で聞いた声と同じ声が聞こえてくる。
「ハレッドさん、私と一緒に遊びに行かない?」
「今度パーティーがあるんです。一緒にいかがですか?」
今度は女子がその男子を誘っているらしい。
さすがにお嬢様ばかりとあって誘い方にも品があるけど。
しかしお嬢様たちが言っていたあるセリフに引っかかった。
ハレッド・・・?もしかして。そう思い、振り向いて顔を確認してみると携帯のファイルの中に入っている画像の顔と同じ顔だった。
「お姉ちゃん。見つけたよ。ハレッド…だよね?」
私はそれだけを確認して莉子が待つ本屋さんへと急いだ。