プリンセスの特別な事情
「いいけど…それ、どうするの?」
「え…えっと、美尋に。美尋に、お供えしようかと思って」
…あぁ、そっか。お姉ちゃんも同じ色のミサンガをつけてたっけ。
莉子は、お姉ちゃんのことを一番に思っていた友達だったから。
「そういえば…今日の用事ってなんだったの?」
ふと聞いてくる莉子。
あれは、お姉ちゃんとの約束のことだったけど。
お姉ちゃんは莉子にその話をしていないようだった。
話してもいいものか、悩むけれど…。
「真紘、もしかして…美尋のこと?美尋のことで何かしてるの?」
莉子にそう聞かれて、莉子はやはり美尋のことが大好きであって心配なんだと思った。
「莉子。カレー食べてからにしよう。そうしたら話すから」
私は話す決心をしてその場を離れた。