プリンセスの特別な事情


「そうだ、お姉ちゃんなんか買ってきてほしいものとかあるー?」


何か困ってるんじゃないかと思って聞いてみた。


「ううん、別に何もないよ」


そう言って首を振るお姉ちゃん。そして、私を手招きで呼び寄せた。


「ねぇ、真紘。これ、あなたにあげる」


お姉ちゃんが差し出したのは指輪がついたチェーン。


お姉ちゃんがいつもしているやつだ。


「これね、私の彼氏からもらったんだ」


「お姉ちゃん彼氏いたの?!」


うん、そう言って笑うお姉ちゃんに驚きを隠せない。


放課後も全く会わないせいか、お姉ちゃんに彼氏がいるとか全く知らなかった。


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