プリンセスの特別な事情
「真紘、これを持って私の彼氏に会いに行って欲しいの」
そう言って笑ったお姉ちゃん。
「え、私が?」
「うん。私が入院してること、多分あの人は知らないだろうし」
そして、私にファイルも渡してきた。
「渡しに行くのはいつでもいいから。このファイルにはその人のこととかまとめておいたし。多分、写真も入ってるからすぐに分かると思う」
とりあえず、お姉ちゃんがそういうんだから私が行くべきだろう。
「うん分かった。じゃあ、行ってくるね。あ、今日はもう帰るね!」
気づけば来てからもう1時間がたっていた。
お姉ちゃんに別れを告げ、私は病院を後にした。