プリンセスの特別な事情
二人で肩を並べて一緒に歩き始める。
「そういえば真紘…」
思い出したかのように莉子が私に話しかけた。
「美尋のネックレス、持ってきた?」
「うん。鞄の中に入ってる」
鞄の中を指さしながら笑うと、莉子はほっとしたように溜息をついた。
私のお姉ちゃん、佐藤美尋(サトウミヒロ)。美尋とは二卵性双生児のため顔は全く似ていなかったし、好きなものとかもあまり被ることはなかった。
けど、なぜか気が合ってとても仲の良い姉妹だった。
「美尋、元気にやってるかなぁ」
「大丈夫でしょ、美尋なら。なんたって私のお姉ちゃんですから!」
そう言って二人で笑った。
「それより…いくら金持ちの学校だからって、リムジンとか高級車での送迎が多すぎない?怖いんだけど…」
莉子はそう言ってずんずんと歩いて行った。