プリンセスの特別な事情
「そんなことがあったんだ」
そう溜息をつく莉子。
「で、ハレッドさんには会えたの?」
「ううん。会えなかった。でもね、顔だけは分かった」
え?という感じでこちらを向く莉子。
「講堂で騒がれていた人、覚えてる?」
うん、と首を縦に振った莉子だが次の瞬間にまさか、という顔をした。
「そう…その人がハレッドさんだった」
なかなか敵が多そうだと思ったけど…でも、まずはあの人と知り合うところから始めなきゃいけない。
「真紘、どうすんの?」
そう聞いてくる莉子。