プリンセスの特別な事情


「莉子、私今日の講義が終わったらカフェテリアで待ってるわ。一緒にご飯食べよう」


そう約束して私は研究棟に入った。


とりあえず、私は今日からハレッドさんにちゃんと話しかける。


話しかけなくちゃ何も始まらない。


そんなことを考えながら歩いているとドン、という音がして私の体が後ろに倒れた。


そして、そのまま私は尻もちをつく。



「いった…」


思わずそう漏らすと、ぶつかったであろう相手が手を差し伸べているのが分かった。


…綺麗な目の色だ…。


ぶつかった相手は多分留学生。


エメラルドグリーンの目は二重で、多分この顔立ちだとヨーロッパ系だと思う。


とりあえず差し伸べられた手を取り立ちあがった。


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