プリンセスの特別な事情
「大丈夫?」
そう聞かれ、はい、とだけ答えた。
「ごめんね、急いでて…。君、名前は?」
いきなりそんなことを聞かれたものだからびっくりしてしまう。
「え、あぁ…えーっと…二川真紘って言います」
そう答えるとその人は笑って、
「俺はトーマス・アッシュって言うの!トムって呼んでね。真紘ちゃんだっけ…。お詫びで何かしたいのは山々なんだけどちょっと急いでて。
なんか後でお詫びするからカフェテリアに居てくれる?ごめんね!それじゃあ!!」
そう続けてその場から居なくなってしまった。
…なんか嵐が去っていったみたいだったな。
カフェテリアで待っててっていつだろう。
とりあえずお昼にはいくからそこで探してみるか。
いけない、早くいかないと1限始まっちゃうじゃん!そう思い、私は走り出した。