プリンセスの特別な事情
そう言ってこっちに来たのは、新と呼ばれた男の子と…ハレッドさん。
間近で会うのはこれが初めてかもしれない。
いいチャンスが巡ってきた。トムさん、ありがとう・・・!
「トム、誰こいつら」
私たちをじっと見ながら聞くシンさん。
こいつらって…失礼だな…。
そう思っていると私たちの雰囲気を感じ取ったのかトムさんが説明し始めた。
「あ、この子が二川真紘ちゃん。ほら、さっき話したでしょ?こっちの子は美谷莉子ちゃん。
2人とも、こっちがシン・ワトソン。それで、こっちがハレッド・セルウィン。3人とも同じ国出身なの。一緒にここに留学してきたってわけ」
ってことは、3人ともセルウィン王国の・・・。
紹介された人のことを考えるよりも先にそっちのことを考えてしまった。