プリンセスの特別な事情
2人の姿が見えなくなってシンさんと莉子と私だけになった。
「しっかし…私たちがここに居ていいのかね…。女子からの妬みって一番怖いんだけど」
そう溜息をつくように言った莉子。
確かに…女子に人気のハレッドさんにイケメンのトムさんとシンさん。
こんな人たちと一緒にご飯なんて食べてたら私たちの命が危ない。
「別に…そんなこともないと思うけどな。お前ら、あいつらに恋愛感情ないんだろ?つーかあったらまず一番に俺がお前らと一緒に飯なんて食わないし」
いきなり口を開いたシンさん。
なんかさっきから口調が違いすぎて驚く。
「シンさん、どっちが素なの?」
シンさんはハッ、と乾いた笑いをしてこっちを見た。
「俺はこっちが素だけど?媚を売ってくるような奴らには表向きの表情で対応してる。お前らはそんなこともなさそうだからな。あと、俺のことはシンで良い。多分トムもハレッドも呼び捨てで構わないはずだ」