プリンセスの特別な事情
そう言われて私は莉子と一緒に席を立った。
「じゃあね、3人とも。もし、同じサークルになったらよろしくねー。あと、真紘の事狙おうとしてるやつがいたら、コロス」
そう言って机をバンっと叩いた莉子。
最後のほうなんて言ったか全く聞こえなかったけど、何を言ったんだろうか。
「んーと…トム、とりあえずありがとう。おごってもらっちゃって。また一緒に食べられたらいいね。今日は楽しかったよ。またね」
私もお礼の言葉を言って、莉子とともにその場を立ち去った。
「良かったね、真紘。好印象持ってもらえたみたいじゃない?」
カフェテリアを出たところでそう言って悪い笑顔を浮かべる莉子。
「うん、これでやりやすくなるってことだね」
多分、私も莉子と同じような顔をしていると思う。
確かに莉子の言ったとおりにこれで、私の目的は格段に達成しやすくなった。
多分、私が美尋の妹だってことに気付かれてないし。
よし、頑張ろう。