笑って泣いて笑って
1-4のタヌキさん
高校に入学して早1ヶ月。
私、坂原倖芭(サカハラ ユキハ)は
無二の親友のきよちゃんこと清水聖美(シミズ キヨミ)と他愛のない会話をしていた。
「思ったんだけどさぁー…。」
きよちゃんが言った。
「ん?」
「倖芭はさ、何でいつも馬鹿みたいに笑ってんの?」
「んー…分かんないや!」
「ふふっ。倖芭らしいね。」
私はいわゆる女ウケが悪いみたいで女友達が極端に少ない。
でも小学校から一緒のきよちゃんだけは違った。
いじめられていた私をいつも助けてくれてた。
「ありがとう」と言うと決まって「友達だから当たり前でしょ。」
と言うんだ。
その言葉に何度助けられてきたことか。
きよちゃんはいつもキツく見られるけど本当は優しい子なんだ。