時を越えて
休憩をいれながら谷に向う。


凌平は私のペースにあわせてくれていた。


谷が近いのか山道になった。



「海、足場悪いから気をつけろよ」


「う、うん」


必死に凌平について行っていると凌平の足が止まった。



休憩かな?
でもさっき休憩したから大丈夫なのに。



「何かいる」


「えっ、妖怪?」


私も意識を集中させてあたりを見渡す。


「確かに何かいるね」

じろじろ見られているような感じがする。

「あ、気配が消えた」

その気配はすぐに消えた。



まるで私たちを監視しているかのようだった。


「先を急ごう
ここで襲われると大変だ」


「そうだね」




「やべぇ、めっちゃうまそう」


「鬼水、よだれでてるぞ
それに琥珀まで殺すと烈火に殺されるぞ」


「分かってるよ、雷鬼」
< 43 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop