好きって言えよ[恋愛短編集]
「もう。
今やってるんだから!!」
私が頬を膨らまして怒ると、
お兄ちゃんは何ともない顔で、
机に教科書を返した。
「そこの答え、4560。」
「答えは言わなくても良いの。」
「は??それ宿題じゃないの??」
お兄ちゃんはキョトンとした顔で私の顔を見る。
「違うよ!!
明日の予習してんの!!」
え??何で??みたいな顔でお兄ちゃんは首を傾げた。
「今まで予習とか言って、机に向かう姿なんて見たことないぞ。
お前、数学好きだったっけ??」
私がそれを聞いてムッとした顔をしたからか、
お兄ちゃんはそそくさと私の部屋から出ていった。
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