好きって言えよ[恋愛短編集]




「もう。


今やってるんだから!!」




私が頬を膨らまして怒ると、
お兄ちゃんは何ともない顔で、
机に教科書を返した。




「そこの答え、4560。」




「答えは言わなくても良いの。」




「は??それ宿題じゃないの??」




お兄ちゃんはキョトンとした顔で私の顔を見る。




「違うよ!!


明日の予習してんの!!」




え??何で??みたいな顔でお兄ちゃんは首を傾げた。




「今まで予習とか言って、机に向かう姿なんて見たことないぞ。


お前、数学好きだったっけ??」




私がそれを聞いてムッとした顔をしたからか、
お兄ちゃんはそそくさと私の部屋から出ていった。




.
< 23 / 36 >

この作品をシェア

pagetop