好きって言えよ[恋愛短編集]




確かにお兄ちゃんの言う通り、
私は予習なんて理由で数学を勉強をするような人間ではない。



数学は教科の中で一番嫌いだし、
教科書を見るだけで吐き気がする。




一通り問題を解き終わった私は、
ぐっと背を反らして伸びをした。




教科書を畳む時、
思わず頬が緩んだのが自分でも分かった。




実は本当の理由は先生にある。




数学の鹿山先生。




若くて、クールで、同学年の男の子とは比べものにならないくらい大人。




簡潔に言えば私は鹿山先生が好きだ。




その好きは、

こう…誰々先生って素敵よね!!
っていう、そういうレベルじゃなくて、
恋愛対象として本当に好き。




叶わない恋だとは分かってる。




だって、大人の先生から見たら私なんてただの子供だし、
カッコイイ先生にはきっと恋人が居るに違いないから。




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