好きって言えよ[恋愛短編集]
次の日の朝。
私はいつもより少し早めの電車に乗って登校した。
昨日の夜、分からなかった問題を先生に聞きに行こうとか考えながら歩いていると、
見慣れた背中が視界に飛び込んできた。
途端に弾む心臓。
ドキドキドキドキと早鐘を打ち始める。
『チャンスだ!!』
って頭の中で誰かが囁いた。
私はそれに答えるように小さく頷くと、
先生の背中に向かって小走りした。
しかし、あと10mというところで、思わぬ敵が出現した。
「鹿山先生!!」
「ああ、相葉先生。」
キュッと一瞬にして張り詰めた私の心臓は、
見えないナイフでえぐられたみたいに痛い。
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