恋バス【短編】
恋バス



好きです、好きです。



好きです…――





数メートル手前の方で友人と仲良く話をしている彼に向かって、呪文のように胸の中で唱える。





“好きです”



その一言を口に出せるわけもなく、いつも胸の中で唱えるだけ。



毎日それの繰り返し。





もっと前に出ていける性格だったら、こんなことしなくてもいいのかもしれない。



直接彼に“好き”って伝えれる。





でも、内気な私にはそれが出来なくて。



いつも彼と話をしている女の子達を羨ましく思ってしまう。


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