恋バス【短編】
もっと活発な女の子だったら…。
もっと積極的な女の子だったら…。
そう考える度に自分の不甲斐なさに溜め息が零れる。
プシューッとバスの扉が開き、彼の友人が降りていく。
席はまばらに空いていて、周りを見渡す限り私と彼以外はお年寄りばかり。
再び彼の背中を見つめ、つい口元がほころびる。
同時に、クルッと体を回転させて後方に視線を向ける彼。
やばっ…。
とっさに口元を手で覆い視線を下に向け、俯く状態になる。
一人で怪しくニヤケてる人だなんて思われたくないもん。