恋バス【短編】



『次は…―――』





あ…、奏君が降りる所だ。



前に座っている彼は、自分が降りる所だというのに一向に動こうとしない。





「あの…っ、降りないの…?」





あまり喋るのは得意じゃないけど、勇気を出して話しかけてみる。





「あー、いいよ。もうちょっと話していたいから」





“話していたい”



平然と答える彼の姿が今は眩しくて仕方がなかった。





期待、しちゃうじゃん――



< 7 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop