恋バス【短編】
「――好き」
そう言った彼の瞳は、真っ直ぐに私の目を捕らえていた。
ただただ驚くことしか出来ないでいる私。
“好き”って…何が?
「俺のこと、好きなの?」
「ぇ…?」
ズバリと心境を当てられ、混乱しまくる私の頭。
きっと、からかわれてるんだよ。
そう思ってノリで返せばいい。
だけど私の脳は、そんな簡単な司令も出せないぐらいに思考停止していた。
瞬間、時間が止まったような感覚に陥る。