トラック野郎と君
既にお礼は決まっていた
トン、トン。
車のドアを叩く音。
(あれ……順番まだやしなぁ……)
そう思いながら、サイドウィンドを下げて、下を覗く。
「あの……すみません……」
そこには、薄汚れたトレーナーに髪の乱れた女と、その娘らしき少女が立っていた。
「……何?」
「あの……ちょっと……」
全く意図が見えないが、相手が女(しかも結構美人)なので、ドアを開けて下に下りてやる。
「あの、一緒にフェリーに乗せてもらえないでしょうか」
よくある。いや、こんな見ず知らずの女に頼まれることは決してないが、彼女や家族を乗せて、トラックごとフェリーに乗ってしまってそのまま車内の仕切りカーテンの中にいれば金が浮く、ということは俺自信も経験があるし、珍しいことではない。
「いやまぁ……それは……かまへんけど……」
「向こうに、どうしても急ぎの用事があって……」
ならなぜ、自分で金を払って乗ろうとしないのかは分からないが……きっと、それなりの事情があるのだろう。
俺は軽い気持ちで、母親と娘を乗せた。娘は高校生くらいか……。金髪のわりに、終始俯き加減だが、スレンダーな美少女。母親の方は、天災うんぬん疲れ果てているのか、長い髪の毛を1つに束ねるも、乱れており、やつれた白い熟女(40歳ってとこか?)、という印象だった。
さて、車を船中につけてからは、人通りが少なくなってから客席へ上がった。そのつもりだったのか、すぐに、シャワーを浴びたい、という娘にシャワー室を案内してやり、母親と2人で窓際の席へ座った。
ほどなくして、まだ髪が濡れたままの娘が出てくると、次は母親が代わって席を立つ。
「コーヒー飲む? それとも、ジュースか?」
「えっ……」
車のドアを叩く音。
(あれ……順番まだやしなぁ……)
そう思いながら、サイドウィンドを下げて、下を覗く。
「あの……すみません……」
そこには、薄汚れたトレーナーに髪の乱れた女と、その娘らしき少女が立っていた。
「……何?」
「あの……ちょっと……」
全く意図が見えないが、相手が女(しかも結構美人)なので、ドアを開けて下に下りてやる。
「あの、一緒にフェリーに乗せてもらえないでしょうか」
よくある。いや、こんな見ず知らずの女に頼まれることは決してないが、彼女や家族を乗せて、トラックごとフェリーに乗ってしまってそのまま車内の仕切りカーテンの中にいれば金が浮く、ということは俺自信も経験があるし、珍しいことではない。
「いやまぁ……それは……かまへんけど……」
「向こうに、どうしても急ぎの用事があって……」
ならなぜ、自分で金を払って乗ろうとしないのかは分からないが……きっと、それなりの事情があるのだろう。
俺は軽い気持ちで、母親と娘を乗せた。娘は高校生くらいか……。金髪のわりに、終始俯き加減だが、スレンダーな美少女。母親の方は、天災うんぬん疲れ果てているのか、長い髪の毛を1つに束ねるも、乱れており、やつれた白い熟女(40歳ってとこか?)、という印象だった。
さて、車を船中につけてからは、人通りが少なくなってから客席へ上がった。そのつもりだったのか、すぐに、シャワーを浴びたい、という娘にシャワー室を案内してやり、母親と2人で窓際の席へ座った。
ほどなくして、まだ髪が濡れたままの娘が出てくると、次は母親が代わって席を立つ。
「コーヒー飲む? それとも、ジュースか?」
「えっ……」