苺ドロップ
ミナと女子テニス部に入って
2ヶ月。まだコートに入れるレベルじゃなかったから
一年生は壁打ちやランニングをしていた。
男子テニス部のあの人のことは
まだ思い出せなかった。
「ボールとってくれない?」
誰かに声をかけられて、足元を見ると
ボールが落ちていた。
「あ、はい」
ボールを拾って声のする方をみると
男子テニス部のあの人だった。
ボールを渡すと
「ありがとうね」
と言って背を向けて歩いて行った。
・・・。もしかして。
「おいおい!彩、こうき先輩に惚れたのか~?」
ドキっとして振り向くと同級生で男子テニス部の
翔太がいた。こいつは小学4年生ごろから
ずっと同じクラス。もちろん今年も(泣)
「はッ!?ボール渡しただけだしぃ~!!」
あの人、こうき先輩っていうんだ。
こうちゃんってよばれてもおかしくないよね。
「まっ、こうき先輩かっこいいからな。お前には無理そうだけどな~。」
だから好きじゃないし。
私はナミに呼ばれたので、翔太を
無視してナミのところへいった。