なりすまし
「どうした?何か分かったのか?」
光希が携帯の画面から視線を外し、俺の顔をのぞき込んできた。
「いや、昨日の……」
俺が話し始めたその時、朝のホームルーム開始のチャイムが鳴り、同時に担任の「ゴリヘン」が入ってきた。
光希は慌てて携帯を隠し、みんな各自のホームに帰っていった。
ふと左後ろを見ると、遥か後方から脩がこちらを見てなにやらにやにやしている。
気味が悪い。
俺はその視線が俺を完全に捕らえてしまう前に、前に向き直って振り解いた。
今日もゴリヘンは絶好調だ。
朝から、天使が行いを見ているだのイスラムじみたことを言っている。
俺たちをカリフに見立てて、自分は預言者気取りだろうか。
光希が携帯の画面から視線を外し、俺の顔をのぞき込んできた。
「いや、昨日の……」
俺が話し始めたその時、朝のホームルーム開始のチャイムが鳴り、同時に担任の「ゴリヘン」が入ってきた。
光希は慌てて携帯を隠し、みんな各自のホームに帰っていった。
ふと左後ろを見ると、遥か後方から脩がこちらを見てなにやらにやにやしている。
気味が悪い。
俺はその視線が俺を完全に捕らえてしまう前に、前に向き直って振り解いた。
今日もゴリヘンは絶好調だ。
朝から、天使が行いを見ているだのイスラムじみたことを言っている。
俺たちをカリフに見立てて、自分は預言者気取りだろうか。