なりすまし
いつものメンバーのはずだった。


しかし、そこには吉井だけでなく慶太までもが居なかった。

確かに俺は慶太がこの事件に首を突っ込みすぎないように軽く突き放したが……。

「まさかここまで……」

「ん?なんか言ったか?」

俺の口から漏れた声を拾って、瑠唯が聞いてきた。

「いや……何でもない。それより、俺の仮説と結論を聞いてくれないか」

「その前に、俺の話を……!!」
光希が身を乗り出した。



俺たちは、昼食をとりながら発表会を開催することになった。

教室はいつもに増して騒がしく、多くの生徒が各々の場所で思い思いの話題で盛り上がる中、俺たちのように厳かな雰囲気を漂わせているのは他になかった。



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