少女は偽りの恋




「は?何?ちょう何?」

「超感覚的知覚。
もっと格好良く言うならESPとでも言いましょう。」

言いながら小都音は机を軽く叩いた。
本当に軽く叩いた物だから、音は立たなかった。

ESPと言われ、ツグミは「ああ」と頷いた。

小都音は笑窪を作り笑った。


「第六感の類義語として御馴染みの、超感覚的知覚。」

なんとも言い難そうなのに、小都音は何食わぬ顔で流暢に発音するので、ツグミは感心する。


「それなら何だか、専門用語みたいで、説得力があると思わない?女の勘なんて言うよりも。」

「もう、何の話をしてたのか分からなくなるけどね。」

ツグミは呆れたが、小都音はどうやら「女の勘」よりも「超感覚的知覚」が気に入ったらしい。


やれやれ変わった可愛い生き物だ。
とツグミはコッソリ笑う。




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