少女は偽りの恋





「あ…貴方、小都音に何してるんですか…!」

ツグミはやっと声を発し、小都音の方に向かって声を張る。


どうやら…。

見知らぬ誰かが頭上に何かを置いたんだな、
と小都音は納得する。

それならば、物を落とさないように頭を動かさない方がいいんではないか、と見当違いな考えに思い至ったが、それはどう考えても理不尽な話だ。


不審な者だ、と小都音が気付いた時は、
誰かが立ち上がるような、衣服が擦れる音がした。

それと同時に、背後から「マサミ、何してんだお前?」と誰かが驚きの声色を上げる。


ようやく冷静を取り戻した小都音は、
迷い無く自分の頭上に生意気に乗っかってる物を取り除こうと手を伸ばすと、
ツグミが「あ」っと声を漏らす。


…その物に触れた時、小都音は両腕に鳥肌が立つ不快感を感じだ。







………人の手?



< 14 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop