少女は偽りの恋
引き摺られて歩く事五分ほどで、彼女達は目的地を目の前にする。
飲食店の外装はとても洒落ていて、若い子の好みに合わせて作ったような物だ。
成る程ツグミ達女子大学生が気になる訳だと小都音は納得する。
センスある程よいカラフルさで、乙女心を刺激するようなアンティークなキラキラ感で包まれている飲食店は、イタリア料理だそうだ。隣の値段を見てみると、目を見張るほ値段は安かったので、小都音は少し喜ぶ。
昼ご飯の時間よりも早いので、人が並んでは居なかったが、恐らくもう何時間が過ぎたら満席になるだろうと小都音は予想する。
「小都音っ、よそ見しないで、中入ろ!
あっ、二人です。」
愛想よく席まで案内してくれた小柄な作業服の女性に小都音は一瞥をやり、柔らかいソファー椅子の上に着席する。