恋人未満、幼なじみ未満。(仮)
プロローグ
少しだけ、私の幼い頃の
お話をしてみる。
まだ、幸せで幸せで
幼馴染みの私達を
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「ここ、良いものやるよ!」
物心付いた時には、何故か何時も彼が隣に居た。
野々宮 こころ
ノノミヤ ココロ
それが私の名前。
そんな私を゛ここ゛と呼ぶ人物は一人しか、居なかった。
「ありがとうっ、ゆきくん。」
木之下 幸人
キノシタ ユキト
彼をそう呼ぶのだって、世界に私一人だけだった。
「きゃああああっ!」
「あはははっ!アホここ~!」
開かれた箱にはゴキブリの死骸。
何時だって、私はゆきくんにいじめられていて。
「うわぁあんうわぁあん」
とっても泣き虫だった。
初めは面白がってたゆきくんだけど、私は泣き止まないのに焦り始め。
私のお母さんが駆け付けた時にはスゥーッと私の家の隣にある自分の家へ逃げていった。
次の日、目をキョロキョロさせながら
『悪かったな。』
と、渡されたのは
ハート型のペンダントだった。
16歳になった今、唯一変わらないのは
きっとこのペンダントだけ―………