恋人未満、幼なじみ未満。(仮)
「…う゛ぁあああ゛……!」
早朝の静かな街に、突如響き渡る悲痛の声。
その声は道の先に聞こえる。
その場所には沢山の人々。
「やめてくれ…もう許し…」
さっきよりも近くに聞こえる声。
嫌な予感しかしなかった。
「すみませんっ、もう私此で帰りま…」
逃げよう。
というか逃げないと。
足を踏み出した瞬間、パシッと右手を誰かに掴まれる。
「お楽しみは此からだ。」
にこっ、
そうさっきみたいに笑っている筈の美少年くん。
でも、それは
悪魔の微笑み
そのものだった。
まるで金縛りに合った様なそんな状態。
でも体は何故か動けて
どちらかと言うと意思だけが金縛り状態。
「おいで。」
美少年くんのその一言に。
私の身体は従順に傍に駆け寄った。