恋人未満、幼なじみ未満。(仮)
唯一赤に染まっていなかった漆黒の瞳がギロリと此方に向く。
「……お前…何でソイツと…」
「お久、大神。」
動揺するカレに平然と話掛ける。
それに今…
「おお、か…み?」
そう、確かに言った。
「そうだよ。この目の前の彼は…」
「黙れ。」
低く、唸る。
まるで狼みたいに。
「良いじゃん別に教えたって。どうせ何時かはバレるんだし。」
「るせ。」
そして美少年くんは強引に話を進めた。
「ここちゃんの元、幼馴染みくんは有名な、有名な
「黙れ。」
大神くんだよ。」
カレは一生届かない。
幾ら手を伸ばしても
カレの手を掴める事は無いって。
昔ママがいっていた。
神様はお空の上でもなく
宇宙の上でもなく
許された者のみが立ち入る事のできる
未知の世界にいる。と。