恋の罠-それは、突然でした-
「忙しいのにごめんね」
私が病室につくとまず謝ってきた田中さん。
わけが分からずに私は首を傾げた。
「車椅子のタイヤに空気いれてくれないかな?すぐじゃなくていいんだけど…」
今日の病棟は穏やかで、今なら少し時間が取れそう。
「今ならすぐ大丈夫ですよ。空気入れ持ってくるので少しお待ちくださいね」
そういってすぐに空気入れをとりに、ナースステーションに戻った。
いつもなら用務員の人に頼むんだけど、生憎お休み。
だから、自分でやろうと思った。
みんな簡単にやっているから、私にも出来ると思った。
思ったのにーーー。