忘れ雪~君への想い~
大学に入学して、あたしは友達の七海と中庭で話していた。

彼女は、明るくてとても楽しい子。異性と話しても

全然平気な子。

あたしもそんな風になりたいな・・・。

あの人と・・・。

何て物思いにふけてると晴香があたしの顔を覗き込んできた。

「晴香!どーした?何か考えてるみたいだけど・・。」

「え?あ、ああ。何でもないよ・・。にしてもさ桜が綺麗だね・・。」

「うん。何かさ、花見したいね・・・。」

「そーだね・・。花見か・・。いいなあ。ていうか誰とするの?うちらだけ?」

晴香がそう言うと七海は、ニヤリと笑いあたしを見た。

「バカね~。今時女2人で花見やるなんて遅れてるの!!花見もそうだけど、夜桜合コンみたいなのしてみない?」

「夜桜合コン?花見と違うの?」

「まあ、内容は同じなんだけどさ、昼間よりも夜の桜のが綺麗かなあなんて・・。」

「なるほどね・・。いいかも!それ!でも、相手は誰かいるの?」

「うん!あたしの知り合いとその友達!!」

「へえ~・・。この大学で?」

「そう。友達は、結構普通だから晴香、もしかしたら好きになるかもよ?(笑)」

「好きになんて・・。まだ、顔も見てないのに・・。」

「その友達もこの大学だから晴香どこかで見てるかもよ?」

「そうなんだ?誰だろ?人が沢山いるから・・・。」

「じゃあ、とりあえず彼らに連絡しとくから、今度の土曜日空けといてくれる?」

「うん。分かった。楽しみだなあ~。」

「そうだね。あたしも♪」

なんて話してる晴香と七海・・。

その友達は、晴香が合格発表の日に『忘れ雪』を見た優斗

だとは、全く知らなかった・・・。
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