忘れ雪~君への想い~
普通に蓮と話しているだけでも胸が痛いのに、

それに気がつかない彼に晴香は虚しさを感じていた。

だからあんな風に蓮に悪戯をしてしまう自分がいる。

ホント、それこそ愛情表現の裏返しなのに・・。

蓮ともっと楽しく話したい自分がいるのに、上手くいかない・・。
だから、優斗が居てくれてバランスが取れる・・。

男と女の友達は、難しいものだと頭を捻った晴香だった・・・。

その頃、教室にいた蓮と優斗の会話・・。

「ってーな・・。ホント晴香の奴女じゃねえよ・・。」

「まあね~。でもさ、あれは蓮が悪いだろ。」

「俺が?何もしてねーよ。」

「バカ・・。言葉の伝え方思い切り間違えてるし・・。」

「言葉の伝え方?何だよ、それ・・。」

「俺が言わなくても自分の気持気がついてるんだろ?」

「優斗・・・。」

「俺も不器用だけど、蓮も相当不器用だな・・。」

「お前に言われたくねえよ・・。」

「なら、素直になれよ・・。さっき蓮が彼氏出来ないなんて言うからさすがに晴香も落ち込んでたぞ?俺が出したサインに気がつかないし・・。」

「ごめん・・。何か照れ臭いって言うか恥ずかしいんだよな・・。晴香の事嫌いじゃないのに・・。」

「じゃあ、なお更だよな。晴香は、蓮の言葉待ってる・・。いい年なんだからその辺は素直になれよ・・。この前、言ってただろ?そばに居てくれる人が欲しいって・・。」

優斗の言葉に蓮も黙り込む・・。

「まあな・・。」

「一緒にいたらこれから変わるかもよ?お互いのこれからとかさ・・。1人でいるのと2人で居るのは違うしさ・・。」

確かに優斗の言うとおり、自分の気持ちに素直になろうと決めていた蓮だった・・。
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