密フェチ*花火

「良かった。俺だけかと思ってたよ。」

はあっと溜息を吐いて、私のかおを微笑ましいなあといわんばかりに見つめる。くちもとからは、笑みがこぼれている。

「俺だけが、初デートに緊張して、浴衣姿の日菜ちゃんに、勝手にドキドキしてるんだとばかり思ってた。……良かった。俺だけじゃないみたいで。」

今度は、はっきりと、極上の笑顔を見せてくれる。そして、

「好きだよ、日菜。ちゃんと、好きだよ。」

照れながら、でもはっきりと、日菜に告げてくれた。

「おれたち、お互いあんまりしゃべらないけど、それはそれでいいよ。逆に、相性いいと思うんだけどな。結構。」

そういって、彼はまた、私の頭を胸に抱く。
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