俺様彼氏の甘い罠




一瞬で足の力が抜けて
座り込みそうになる私の腰に
手を回した彼は口元を歪めて




「 ・・・・いい子だね 」




私のネクタイを片手で取って
目の前でそれにキスをすると
そのまま彼のポケットに
仕舞われてしまった。




「 ・・・・・・ 」


「 そんなに俺が怖い? 」




うまく歩けない私を支えながら
彼は笑う。




彼の独り言みたいな私への
意味のない質問を無視して
何度も立ち止まろうとしたけど
腰に回された彼の手が私を歩かせて




結局、生徒会室に連れてこられた。




「 澪ちゃんって学習能力がないね? 」


「 ・・・・ 」


「 このネクタイ、”ただで”返すと思う? 」




”この俺が”って付け加えられて
ネックレスのことが頭を過ぎった。




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