俺様彼氏の甘い罠
「 仲が良いんだな 」
手すりがなかったら
絶対上れてなかった、と
軽く息を切らしながら
階段を上りきって、
頭上から落ちてきた
その声に顔を上げた。
「 ・・・・せん、せい・・・ 」
「 校舎内で堂々とイチャつくなよ 」
「 そんな・・・・っ! 」
誰もいない廊下の壁に
背中を預けて腕を組んだ先生が
”なんて、な”って小さく笑って
「 学校なの忘れそうになった 」
巻いた毛先を指先でいじって
遊びながらそう言った。