俺様彼氏の甘い罠
『 澪、今日は来れるの? 』
「 ・・・うん、ごめんね 」
『 なに謝ってるの!
早くおいで~! 』
待ってるからね、って
電話越しに聞こえる結花ちゃんの声に
頷きながらご飯を済ませて
いつもと同じ時間に家を出た。
不安がなくなったわけじゃない。
・・・・だけど、今度はもう絶対に
間違えない自信がある。
どんな言葉に脅されても、
私はもう会長が怖くない。
「 ・・・・行ってきます 」
鉛のように重かった体が
嘘みたいに軽くなって、
頭の中は先生でいっぱいで。
いつも通りの朝だった。
悩みもなくて、ただ学校で
先生に会うことだけが
頭を支配している。
・・・・だから、大丈夫。